TRPG『パラノイア』シナリオ

2013年02月24日 (日) 15時42分41秒
このエントリーをはてなブックマークに追加

経緯

2013年2月23日にプレイヤー5名+GMの6名でTRPG『パラノイア』のセッションを行いました。
GM以外の全員がTRPG初体験という状態でしたが、無事終了することができました。
初めてのTRPGがパラノイアってどうなの…?
シナリオはGMが書いたオリジナルを使用しました。協力して敵に立ち向かう戦闘を織り込んだため、(普通のパラノイアシナリオと比較して)TRPG初心者でも比較的楽しみやすいシナリオだったと思います。

そのシナリオをここに記載します。パラノイアをプレイする/シナリオを用意する際の参考に(多少は)なるのではないでしょうか。

パラノイアシナリオ「Happy Firemen*1

設定

プレイヤーは全員同じ作業区で暮らしているため、顔見知り程度の仲。

開幕

ここはアルファ・コンプレックスMCPセクター。
幸福なプレイヤーたちは作業区画の同じテーブルで食事を取っています。
配給された食料はアルファ・コンプレックスで一般的な固形食で、
何かよく解らない灰色の塊で妙な刺激臭がしますが、味は悪くありません。
いやー、こんな美味しいものが食べられるなんて幸福ですね。
窓から見える原子炉の冷却プールからは、何か綺麗な青い光が見えます。
きっと、いわゆる「チェレンコフ光」というやつでしょう。幸福ですね。
背後で配給中の食料が爆発し、何人かのインフラレッドが吹き飛ばされたようですが、そんなことはよくあることです。

突然、各所に設置されているスクリーンからコンピュータ様からの緊急連絡が入りました。
見ると、このテーブルに座っているプレイヤー全員の名前が表示されています。

『市民の皆様に連絡いたします。以下に記載されている市民に、ブリーフィングの召集がかかりました。10分以内にTHUセクターにあるブリーフィングルームまでお越しください。繰り返します…』

どうやら栄誉あるトラブルシューターに抜擢されたようです。良かったですね!

THUセクターのブリーフィングルームはここから比較的近く、ほぼ真っ直ぐな一本道です。
全力で走れば10分はかからないでしょう。
慈悲深いコンピュータ様がご配慮くださったようです。
しかし今はちょうど食事が終了して作業場に戻る時間。プレイヤー達が道路に出てみると、
作業場に一刻も早く戻ろうとする多数のインフラレッドたちでごった返し、
走ることはおろか前に進むこともままならない状況です。
これでは10分で到着することはまず無理でしょう。さて、どうしますか?

  • (現在の状況での所要時間を尋ねられた場合:)
    1D20×10分ほど掛かると思われます。
  • (周囲にある使えそうなものを尋ねられた場合:)
    周囲を見渡すと、R&D(リサーチ・アンド・デベロップメント)のラボがあり、そこの職員は気前よく開発中の家庭用交通機関のいくつかを提供してくれるようです。
1. 家庭用電磁マスドライバー
電磁砲(レールガン)の原理を利用し、宇宙へ物資を打ち上げる装置。台車が取り付けられており、持ち運び可能。
今回は高度90kmまで打ち上げた後、
THUセクターへ放物線を描いて落下する軌道を描く。地上に到達する頃にはマッハ30になっているだろう。
THUセクターへの所要時間は約6分。
オプションでパラシュートも付けてくれるそうだ。しかし、パラシュートで減速していては時間が掛かり過ぎるかもしれない。
2. 家庭用ヘリ
小型化と高性能化の両方を実現するために、ローター(プロペラ)の先端に
ジェットエンジンとコックピットと客席を取り付けた画期的なヘリコプター。外見はま さに巨大なローターである。乗客は強力な遠心力によって即死は免れられないだろう。
しかしながら遠心力対策もちょっとだけしてあり、5分以内のフライトならば、乗客は原型をとどめていることは可能。
THUセクターへの所要時間は約4分。
3. 家庭用原子力飛行機
エンジンに原子力をつかったプロペラ機。8人乗り。
プロペラの推進方向を偏向することでほぼゼロ距離で離着陸することが可能。しかし一度エンジンを始動させると、減速しようとしたり、プロペラのの推進方向を転換しようとしたり、エンジンを停止させようとするとエンジンがメルトダウンして墜落してしまうというびっくりの性能を持つ。
THUセクターへの所要時間は約5分。

ブリーフィング

何とか所定のブリーフィングルームに到着したプレイヤー達。

「ブライアン」と名乗るクリアランス「B」の男*2が出迎える。

ブライアン:
「トラブルシューターに選ばれた特別に幸福な市民の皆さん、お集まり頂き感謝いたします。
ところで、あなた方はこういうものを知っていますか?」と数冊の本を取り出す。

  • (プレイヤーのうち誰かが「本」「書籍」などと答えた場合):
    UV「市民、それは旧世界の遺物であり、あなたのクリアランスには開示されていない情報です。なぜ知っているのですか?」
    (ZAP)

「これは旧世界の遺物であり、主に植物の繊維を溶かして薄いシート状に固めたものに文字を印刷し、それを何枚もまとめて1つにした、旧式の情報記録媒体です。
これは旧世界で「本」もしくは「書籍」と呼ばれていたもので、電子的な情報でないため、偉大なるコンピュータ様もその内容等を把握出来ません。
偉大なるコンピュータ様が監視・統制できない情報というのは、存在しているだけで反逆です。そうですね、市民?

ところが、とある反逆的な市民がこれを大量に所蔵していることが判明しました。そこで、皆さんはそのありかを特定し、
R&Dがこの度開発した新型火炎放射器を使って全て焼き払って下さい。
ではまずパーティ内の役割を決定し、その後、新型火炎放射器を受領するためにR&Dに向かって下さい。焼き払うべき反逆的なアイテムのありかはIS(インターナルセキュリティ)に聞けば教えてくれるかもしれません。
ただし、本来はあなたのクリアランスでは、この反逆的なアイテムの存在を知っていること自体が反逆であることをお忘れなく。
では成功を祈ります。」

  • (ブライアンからの追加の情報、必要な場合):
    • 「本」の所持者と、その仲間であるコミーなどの秘密結社が、焼き払うことを阻止すべく抵抗するかもしれません。
       武器は持てるだけ持っておいて損はないでしょう。

秘密結社からのミッション

  • シエラ・クラブ/ロマンテスク/プロ・テック/フリー・エンタープライズ:
    目標の地点での交戦はなるべく避けて下さい。
    今回は書籍が焼き払われる前になるべく多く持ち帰って下さい。無論、本の所持は反逆ですので秘密裏に。
  • FCCCP/反ミュータント
    コンピュータ様から受領したミッションを確実に遂行してください。
    このパーティにミュータントもしくはコミー、もしくは両方が紛れ込んだようです。見つけて始末して下さい。
  • P.U.R.G.E/サイオン/ミスティック:
    コンピュータに従ってはなりません。コンピュータから指示されたミッションを失敗に導いて下さい。
    その際、パーティになるべく多くの犠牲を出して下さい。
  • デス・レオパルド/フランケンシュタイン・デストロイヤー/イルミナティ:
    受領した武器を最大限活用し、重要な施設などを中心に破壊と殺戮の限りを尽くして下さい。
  • ユマニスト/共産主義者:
    『少数独裁制集産主義の理論と実際』という書籍((元ネタは『1984年』中の同名の書籍))を探し出し、持ち帰って下さい。無論、書籍の所持は反逆ですので秘密裏に。
    少なくとも1人以上、なるべく多くのメンバーに共産主義のすばらしさを広めて下さい。
  • コープ・メタリカ/コンピューター狂信者:
    コンピュータから受領したミッションを可能な限り遂行してください。
    ただし他のパーティメンバーは不要なので、なるべく多くのパーティメンバーを「消去」して下さい。

R&Dにて

入り口にドアがあり、鍵がかかっているのか開きません。
見るとボタンが赤と青の2つあります。どうしますか?

  • 赤を押す
    警報が鳴り響き、ドアのディスプレイに(1D20)の数字が点灯、カウントダウンし始めました!
    カウントがゼロになると、何事も無くドアが開きました。
  • 青を押す
    押した人が立っていた床がパカっと開き、ボタンを押した人は没シュートされました。(クローンナンバーが増える)
  • ドアを撃つなど攻撃:
    ドアが爆発し、半径10m以内が吹き飛びました。偉大なるコンピュータ様が管理する施設を攻撃する行為は反逆です。

ドアをくぐると、職員から無事に新型火炎放射器を受領できました。

  • 新型火炎放射器の説明
    属性: フィールド
    威力: 15点
    装填数: 5回、リロードに30秒
    故障:
    15以上17以下が出ると警告音が10秒鳴り、逆向きに炎が吹き出し8点のダメージを受ける。
    18以上が出ると故障。警告音が10秒鳴り、爆発する。12点のダメージ。

なお、使用後はレポートを提出する必要が有るようです。
クレジットを払うことで、追加の武器も購入できるようです。

ISにて

UVから言われたISの部署に行くと、一人の職員(クリアランス: O)が眠そうにコンピュータに向かっています。

  • (普通に尋ねようとした場合):
    • クリティカル:
      たまたま機嫌が良かったようだ。
      情報が得られる。
  • 1D20が15以上:
    「なぜそんな事を聞く?貴様コミーだな?」(ZAP)
  • それ以外:
    「あー、今は忙しいんだ、帰ってくれ」
  • (何らかのスキルを使って尋ねた場合):
    判定し、成功すれば情報が得られる。
    失敗すれば普通に尋ねた場合と同じ判定
  • (何らかの手段でコンピュータを操作した場合):
    判定し、成功すれば情報が得られる。
  • 得られる情報:
    • NEFセクターの「ヴィンシュタイン*3」と呼ばれるクリアランスGのHPC(住居維持・精神操作)職員と彼が属するコミー組織が、彼の広大な自宅に大量の書籍を備蓄していることが判明した。

NEFセクターにて:

ヴィンシュタインの家はクリアランスGであり、見たところ平屋建てらしい。奥に巨大な倉庫もある。
ヴィンシュタインの家に、クリアランスも様々な沢山の人が入っていく。クリアランスを無視出来るのはコミーだからに違いない。
しかし武器や火炎放射器を持って入るのは怪しまれるため危険だろう。

  • 倉庫に入ろうとすると:
    鍵がかかっている。
    怪しい行動をしてると見つかり、ZAPされる。
    無事に中に入ると、中には様々な武器や戦車がある。
  • 何も持たずに入ると:
    中には50人ほどおり、誰かが演説している。
    聴いてみると、共産主義の演説が行われていた!スキル「共産主義的政治宣伝Lv. 1」を獲得!
    周りの人に話を聞くと、誰も彼も共産主義の話しかせず、囲まれて共産主義賛美の嵐を延々と聞かされる。
    共産主義系の秘密組織に入っていれば幸福ステータスに、いなければ発狂。
  • 武器を持って入ると:
    中には50人ほどおり、とっさにそれぞれが武器を構え、撃ってきた!
    見たところ、30人ほどの比較的下級のクリアランスはハンドガンやライフルを、
    上位クリアランスはバズーカやエネルギーブラスタなどの高級な武器を持っている。
    中には強力な放水機を持った人もいる。これでは火炎放射器は使えない。
    また、上級クリアランスにはレーザーガンは効かない。
  • 援軍を呼ぶと:
    ヴィンシュタインの家はクリアランス「G」であり、そこに立ち入ることは明確なクリアランス違反である。(ZAP)

戦闘

全滅させる

攻撃ヘリが登場!ロケット弾を発射し、屋根をまるごと吹き飛ばしてしまった!
ヘリの耐久力: 100
ヘリの装備: ロケット弾・バルカン

本を全て燃やす

建物が炎上し脱出不可能に

ヘリを撃墜する

建物に突っ込み、建物が本ごと炎上。

デブリーフィング

  • ヴィンシュタインの家はクリアランスGである。そこに立ち入ったためクリアランス違反でZAP。
  • (敵が持っていた装備も含めて)装備を勝手に破壊したということでZAP。

補足

1984年』や『華氏451度』といった有名なディストピア小説をオマージュしています。

http://creativecommons.org/licenses/by/3.0/deed.ja

コメントはありません。 Comments/TRPG『パラノイア』シナリオ?

お名前:

*1 Fireman は本来「消防官」の意味ですが、有名なディストピア小説『華氏451度』中では、書籍を燃やす「焚書官」という職業の意味として登場します。ネタバレしない程度に(元ネタを知っている人に)内容を示唆するタイトルとなっています。
*2 名前の元ネタはディストピア小説『1984年』のオブライエン
*3 名前の元ネタは『1984年』の主人公ウィンストン